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2025 年 08 月 05 日

在留特別許可の「公表事例」から読み解く入管の真意:永住・在留申請への隠されたヒント

この度、出入国在留管理庁(以下、入管という。)からの公表「在留特別許可された事例及び在留特別許可されなかった事例について」がありました。

この公表は、単なる行政手続きの透明化にとどまらず、私たちが日々の業務で向き合う永住許可や他の在留資格申請にも、深く示唆に富む「入管の考え方」が隠されていると私は考えています。

一般的なウェブサイトでは、この公表を「不法滞在からの在留特別許可」という文脈で解説することがほとんどでしょう。

しかし、視点を変えると、この事例集は「日本社会における外国人の在留を判断する際の基本的な理念」を、具体的に、そして体系的に示してくれている、いわば入管の「審査の教科書」のようなものです。

ここでは、その公表された事例から、私たちが永住許可申請やその他の在留資格申請にどう活かしていくべきか、独自の視点から解説します。

1. 「人道的配慮」の背景にある「本人の責任意識」
公表された事例を見ると、在留特別許可された事例の多くに「日本での生活基盤の形成」「日本人との婚姻」といった事情が挙げられています。

これらは一見、「可哀そうだから許可した」という人道的配慮に見えます。

しかし、その裏側にあるのは、「本人が不法滞在という状況を是正しようと努力し、日本社会の一員として責任ある行動をとっているか」という点です。

例えば、日本人との結婚後も真面目に働き、納税義務を果たしていることなどが、単なる同情を超えた「日本社会への適応と貢献」として評価されています。

これは永住許可申請にも通じる重要なポイントです。私たちは、単に「長期間日本に滞在している」という事実だけでなく、「日本社会の一員として、責任感と誠実さを持って生活している」という姿勢を、納税や法令遵守、地域との関わりなど、多角的な証拠で証明することが不可欠です。


2. 「扶養義務」と「世帯の安定性」の評価基準
在留特別許可されなかった事例の中には、「扶養する家族がいるが、その家族の生活も不安定」といったケースが散見されます。

このことから読み取れるのは、入管が「扶養の有無」だけでなく、「世帯全体の生計維持能力」を厳しく評価しているということです。

永住許可申請においても、申請者本人の収入が永住の目安に達していても、扶養家族(特に配偶者や高齢の両親など)が多数おり、世帯全体の生活が不安定になるリスクがある場合は、不許可となる可能性が高まります。

したがって、私たちは「扶養している」という事実を提示するだけでなく、「世帯全体の収入と資産が、扶養家族全員の生活を十分に賄えること」「将来にわたって安定した生活が見込めること」を、説得力のある理由書や客観的な証拠で明確に証明しなければなりません。


3. 公表事例から学ぶ「素行善良要件」の深意
在留特別許可されなかった事例の多くは、「犯罪歴」「入管職員への虚偽申告」など、明らかな法令違反が原因です。これは、永住許可の要件である「素行が善良であること」が、単なる形式的なものではなく、「日本社会のルールや倫理観を尊重できるか」という本質的な資質を問うものであることを改めて示しています。

この公表は、私たちが永住許可申請において、交通違反歴や納税の遅延、SNSでの不適切な発信など、些細に見える行動にも細心の注意を払うべきであるという、静かでありながらも強い警告を発していると私は受け止めています。

この公表事例集は、在留特別許可という特殊なケースを扱っていますが、そこから読み解ける入管の審査の基本姿勢は、永住許可や他の在留資格申請にも共通するものといえるのではないでしょうか。私たちは、この貴重な情報を活用し、より精度の高い、そして説得力のある申請を目指すべきです。

 

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