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2025 年 07 月 06 日
トラスティド・トラベラー・プログラムについて

海外旅行や海外出張で、空港の出入国審査の長蛇の列にうんざりした経験、ありませんか?
特に、日本の空港は国際線が多いため、時間帯によってはかなりの待ち時間が発生することもしばしば。
そんなストレスを解消し、スムーズな出入国を実現するための画期的な制度が、近年日本でも導入されました。
それが、「トラスティド・トラベラー・プログラム(Trusted Traveler Program)」です。
トラスティド・トラベラー・プログラム(Trusted Traveler Program、以下 TTPという。)は、簡単に言うと、事前に審査を受け、入国管理局から「この人は信頼できる」と認められた人に対して、日本の空港での出入国審査を簡素化・迅速化する制度です。
通常、出入国審査では、一人ひとりが審査官と対面し、パスポートの確認、入国目的の確認、指紋採取、顔写真撮影など、時間を要する手続きが行われます。しかし、TTPの登録者であれば、この手続きの一部が簡素化され、自動化ゲート(顔認証ゲート)などを利用して、よりスムーズに出入国できるようになります。
TTPを利用するメリット: スムーズな出入国で時間を有効活用!
1. 出入国審査の待ち時間が大幅に短縮される
これが最大のメリットです。自動化ゲート(顔認証ゲート)を待ち時間ほぼなしで通過できるため、繁忙期や混雑時間帯でもスムーズに出入国が可能です。乗り継ぎ便がある場合や、ビジネスでのタイトなスケジュールがある場合に、特に大きな威力を発揮します。
2. ストレスフリーな移動体験
長蛇の列に並ぶストレスや、審査官とのやり取りによる緊張感から解放されます。特に、深夜便や早朝便で疲れている時などには、このストレス軽減は非常に大きいでしょう。
3. 優先レーンや顔認証ゲートの利用
TTP登録者専用の優先レーンや、パスポートと顔認証だけで通過できる顔認証ゲートを利用できます。これはまるで、空港でVIP待遇を受けているようなものですね。
4. 日本への「定着性」のアピールにも繋がる(間接的な側面)
直接的な永住許可要件ではありませんが、TTPに登録できるということは、入管があなたを「信頼できる人物」と認めた証です。これは、将来的に永住許可を申請する際、「素行善良性」や「日本社会への適応性」をアピールする上で、間接的なプラス材料となる可能性も秘めていると言えるでしょう。
TTPの対象者と申請条件: 誰でも利用できるわけじゃない!
では、誰でもこの便利なTTPを利用できるのでしょうか?残念ながら、そうではありません。
TTPは「信頼できる旅行者」を対象としているため、いくつかの厳しい条件が設けられています。
◎TTPの対象となる外国人は、以下の要件を全て満たす必要があります。
〇日本に中長期滞在する在留資格を持っていること
具体的には、「技術・人文知識・国際業務」「企業内転勤」「経営・管理」「高度専門職」「特定技能」「永住者」「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」「定住者」など、様々な中長期の在留資格が対象となります。短期滞在の観光客は対象外です。
・過去に日本への入国・滞在期間が一定以上あること
過去の入国履歴や在留期間が問われます。具体的には、過去に2回以上日本に入国しており、かつ、過去1年間に合計90日以上日本に滞在していることなどが目安となります(詳細な要件は出入国在留管理庁のHPで確認が必要です)。
・出入国管理に関する法令に違反したことがないこと
これは最も重要なポイントです。過去にオーバーステイ(不法残留)や不法就労、その他、出入国管理法に違反した履歴がある場合は、申請が認められません。
・刑事罰を受けたことがないこと
日本国内で懲役や禁固、罰金などの刑事罰を受けている場合も対象外となります。
・所属機関(会社や学校など)が適格であること
所属する企業や学校が、入管庁が定める一定の基準を満たしている必要があります。例えば、企業の規模や納税実績などが審査されます。
・公私の別を明確にした活動であること
犯罪を計画しているなど、日本の安全や公益を害する恐れがないことが前提です。
※単に便利なだけでなく、あなたが「日本のルールを遵守し、日本社会に貢献する意思がある、信頼できる人物である」ことを、公的に認められた証でもあります。
特に、将来的に日本への永住許可を考えている外国人の方にとっては、このTTPに登録していること自体が、「素行が善良であること」や「日本への定着性」を間接的にアピールできる一つの要素となり得ます。
出典・参照:トラスティド・トラベラー・プログラムの概要
